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段ボールの通常仕様と逆仕様について

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段ボールの通常仕様と逆仕様について


普段あまり気にする事はありませんが、段ボールには通常仕様と逆仕様という二つの仕様があります。

通常仕様と逆仕様の違いについて解説します。

赤い矢印は製函工程における進行方向です。上が”通常仕様” 下が”逆仕様”の箱(デザインが逆さま)です。
ほとんどの箱が通常仕様で設計されています。左側に止め代(凸の部分)がくるのが一般的です。

下の逆仕様の箱のデザインは上下逆さまになっていますが、180度回転させると止め代が右側にくる形になります。


箱が糊止めされた状態が上の写真になります。
左が”通常仕様” 、右が”逆仕様” になりますが、止め代を上にするとこのような違いがでます。

■通常仕様を開くとき
●止め代を上にして開く
左側に箱を起こすイメージとなります。

●止め代を下にして開く
止め代を上にして開いた時と同様に、左側に箱を起こすイメージとなります。 

■逆仕様を開くとき
●止め代を上にして開く
右側に箱を起こすイメージとなります。

●止め代を下にして開く
止め代を上にして開いた時と同様に、右側に箱を起こすイメージとなります。

 

このように、通常仕様と逆仕様では見た目はほとんど変わりませんが、箱を開いて組み立てる時に少しやり方が異なります。
逆仕様のオーダーをよくいただくお客様の特徴として、梱包ラインで製函機(段ボールを自動で組み立てる)を使用している という点があります。

・製函機のメーカーによって箱をセットする方法が違う(箱を寝せた状態で給紙する or 箱を立てた状態で給紙する 等 様々)
・箱の立ち上げ方が異なる
それらの理由によって、製函機に合わせた仕様を選択する必要があります。

また一部のお客さまについては、梱包時の作業性の都合によって、逆仕様を選択されるお客様もいらっしゃいます。

基本的に手で1枚1枚箱を組み立てているという事であれば、通常仕様でも逆仕様でも どちらでも問題ありません。

■注意してほしい事
版に関する問題です。通常仕様で生産していたものを、逆仕様に変更する場合、版の転用ができません。

こちら最初の写真です。印刷内容が逆さまになるだけだから、今まで使用していた版を逆さまに取り付けて生産すれば問題ないだろう。と思う方が多いのですが、そういったやり方はとれません。

“下の写真”の”上の段ボール”の印刷内容が、版を逆さまにつけた時のイメージです。(止め代は無視してください。実際は左側に止め代がつきます)
このように、版を逆さまにつけても逆仕様の印刷イメージのようにはならないのです。(上の段ボールの印刷内容をそのまま下の段ボールにもってくると、変な感じになってしまう)よって新たに版を作り直す必要があります。

 

以上が通常仕様と逆仕様の解説です。

基本的には製函機を使用していなければ関係のない内容ですが、もし新たに製函機を導入される場合は注意いただければと思います。基本的には通常仕様の箱を使える製函機を選択するのがベストですが、工場のレイアウトの都合上、逆仕様を選択せざるを得ないケースもあるようです。その場合は版を新たに作りかえるリスクがある事も頭に入れておいてほしいと思います。